法人の紹介

財団法人山階鳥類研究所(2010.06.01更新)

●設立経緯
 山階鳥類研究所(以下「山階鳥研」)は、理学博士山階芳麿が昭和17年(1942年)に設立した日本で唯一の鳥類に関する専門研究機関です。山階芳麿(1900−1989)は、山階宮菊麿王の第二子で、昭和天皇の一歳年上の従兄にあたる方です。幼い頃から鳥に興味をもち、昭和7年(1932年)東京渋谷南平台の私邸内に鳥類標本館を建てました。その後『欧米諸国では政府が国費を投じて鳥類研究機関を維持しているが、日本にはそのような仕組みが無い。そこで、従来所有する標本、図書と共に土地、建物等を一括して寄附し、恒久性のある独立の研究所にしたい』という理由で当財団法人を設立しました。建物は戦災を免れましたが老朽化し、また、寄贈等で標本が増え手狭になったことから、昭和59年(1984年)千葉県我孫子市に移転し現在に至っています。昭和61年(1986年)からは、秋篠宮文仁親王を当研究所総裁としてお迎えしています。


●財団の宝物(鳥類標本等の資料)
 現在、鳥類の剥製標本約7万点、鳥類に関する専門文献約4万冊、鳥類標識データ約450万件を所蔵しています(標識データ:野生鳥類に識別用足環を付けて、移動経路や寿命などの生態、長期間にわたる個体数変動等の研究を行い鳥類の保護などに役立てるための基礎データのこと)。当財団の標本数及び標識データはアジア最大級です。なかには山階鳥研にしかない国内外の学術書、既に絶滅した鳥や希少な鳥の標本などがあります。これらの資料は学術的価値が高く、また長期にわたる研究活動を通じて蓄積された学術上の専門知識は、我が国のみならず世界の学術研究の進展に寄与するものです。

 

●主な取り組み
 山階鳥研は、鳥類全般の科学的研究に取り組み、戦前戦後を通じて多くの鳥類研究者を育て、数々の業績をあげて参りました。その実績は国際的にも高く評価されております。
 当財団は、所蔵する世界有数の鳥類標本等を研究に生かし、公益法人としての存在価値を一層高めてゆくために、昨年12月、ウェブサイトでの鳥類標本のデータベース公開を開始しました。また、これらの標本を活用した鳥類学の新分野を創設し、かつ、鳥類の保全ひいては生物多様性の維持、地球環境の保全に貢献するべく取組んでおります。具体的な例を紹介します。
@アホウドリ:かつて伊豆鳥島を中心に北太平洋の島々で広く繁殖していましたが、明治時代以降、羽毛採取を目的とした乱獲によって、1949年には絶滅したと考えられました。その後伊豆鳥島で少数の生息が確認され回復に向けての取り組みが始まりました。現在、小笠原諸島聟島列島に安定的な繁殖地を作るための研究と保護増殖活動を展開しています。
Aヤンバルクイナ:沖縄島北部に広がる山原(やんばる)の森にのみ生息する飛べない鳥です。1981年、山階鳥研の調査により新種として世界に登録されました。1991年絶滅危惧種に指定されました。山階鳥研はその生息環境の保全や保護増殖プロジェクトを推進しています。
その他、B佐渡でのトキの保護、C鳥インフルエンザに関する調査等にも参画しております。

 

●公益法人認定申請への準備
 山階鳥研は公益財団法人への移行を目指し、現在その準備を進めています。

(山階鳥類研究所事務局長・北條政利)

 


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